第179章 彼を空気扱い

天宮星羅は窓辺に佇んでいた。吹き込む寒風が頬を麻痺させ、混乱した思考をわずかに冷却してくれる。

だが、唇に残るあの貪られた感触だけは、依然として灼熱を帯びていた。

羞恥と憤怒が織りなす逃れようのない網が、星羅をがんじがらめにしていた。

彼女は強く瞳を閉ざし、黒崎蓮の存在を脳裏から追い出そうと試みる。

程なくして、それは成功した。

しかし、代わりに浮かんできたのは二つの幼い顔だった。

リク、そしてノア……。

家に残してきた子供たちはどうしているだろうか。ママがいないと泣き叫んでいないだろうか? 次兄一人で、あの子たちの面倒を見きれるのだろうか?

彼らを思った瞬間、猛り狂っていた...

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