第237章 お前に属さぬものを返せ

西園寺麗華は、もはや恐怖に支配されていた。

彼女は膝行して黒崎蓮の足元まで這い寄り、そのズボンの裾を死に物狂いで掴むと、切れ切れの声で哀願した。

「私が悪かったわ……反省してる……お願い、こんなことしないで……」

「もう、私には行くところなんてないの……」

「お母様に免じて、もう一度だけチャンスをくれない? これからは絶対にしないから……」

彼女はまたしても、彼の母親の名を持ち出した。

今の西園寺麗華にとって、それが唯一すがれる命綱だったのだ。

だが、黒崎蓮は無表情のまま手を伸ばし、彼女の指を一本ずつ、冷酷に引き剥がしていく。

「母に免じて、だと? だからこそ、今日は金を返さ...

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