第238章 憎しみ以外、もう何もない

マンションの中は、見る影もなく荒れ果てていた。

西園寺麗華は床に押さえつけられ、目の前の惨状を呆然と見つめていた。泣き叫ぶ声は次第に途絶え、彼女は麻痺したような絶望へと沈んでいく。

五年かけて丁寧に織り上げてきた夢が、今、粉々に砕け散ったのだ。

「つまみ出せ」

黒崎蓮の声には、一片の温度もなかった。

二人のボディガードが即座に西園寺麗華を抱え上げ、手荒く外へと引きずっていく。

「嫌……離して……蓮お兄様! お願い……!」

西園寺麗華は我に返り、激しく身をよじって抵抗したが、無駄だった。

彼女はそのままマンションの外まで引きずり出され、エントランスの前に放り出された。ドスンとい...

ログインして続きを読む