第266章 死角

天宮星羅の視線が療養所の電子マップ上を猛スピードで駆け巡り、その瞳の奥には氷のような冷たさが宿っていた。

換気ダクト、電力設備、排水システム……あらゆる通常のルートが、彼女の脳内で瞬時に排除されていく。

西園寺麗華は精神的に崩壊し、体力も限界に達している。彼女に残された唯一の本能は「隠れる」ことだ。絶対に見つからない、探知を完全に遮断できる場所を求めているはずだ。

天宮星羅の視線が、不意にある一点で止まった。

画面の隅、「廃棄済み」とマークされた赤いエリア。すべての監視カメラから見放された死角。

「佐伯七海、F区地下層の十年前のオリジナル設計図を出して」

画面が切り替わり、封鎖さ...

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