第279章 長兄、またハメられた

書斎の空気が、三秒間、死のように静まり返った。

次の瞬間、天宮昴と黒崎蓮はほぼ同時にスマートフォンを手に取った。

「俺だ」天宮昴は電話の向こうへ矢継ぎ早に指示を飛ばす。「過去四十八時間以内に海市を出入りした、すべてのプライベートジェットと貨物船の不審な記録を直ちに洗い出せ。同時に、オランダ王室御用達の特殊紙の注文を追え。手漉きの型押しで、インクに金粉が混ざっているものだ。ここ一ヶ月の全取引記録を調べろ。手段は問わない、夜明けまでに結果を出せ」

一方、黒崎蓮の電話もすでに繋がっていた。

「高澤記由、ヨーロッパのサプライヤーに連絡を取れ。特定の招待状を制作した工房を特定するんだ。特徴は後...

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