第285章 生死を賭けた贖罪

宵闇が墨のように垂れ込め、潮の香りと湿気を帯びた海風が顔に吹きつける。

オフロード車が第7埠頭へと続く沿岸のハイウェイを疾走していく。死に絶えたかのような道路にエンジンの轟音が響き渡り、いっそうの孤独を際立たせていた。

天宮昴は片手でハンドルを握り、もう一方の手で耳元の小型インカムを押さえた。

「若、確認しました。岩美敏之が乗船予定の『オーディン号』は、依然として埠頭に停泊したままです。出港の気配はありません。埠頭での銃撃戦も小規模な陽動に過ぎず、連中はまるで……時間を稼いでいるようです」

ノイズ混じりの音声から、久司の切迫した声が届く。

時間稼ぎだと?

天宮昴の瞳孔がわずかに収...

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