第291章 旧友、新局

全員の視線が瞬時に高澤記由へと注がれた。

「詳しく話せ」

黒崎お爺さんは、手にしていた杖で床を重く突いた。

「はい!」高澤記由は即座に背筋を伸ばし、早口で報告を始めた。「岩美敏之が逃亡時に使用したすべての海上ルートを追跡し、密航ブローカーを介して、彼を乗せた貨物船を特定しました」

「その貨物船の最終目的地は、北欧にある『モナラン』という公国です」

モナラン。

その名を聞き、天宮家の三兄妹は同時に眉をひそめた。

モナラン公国は特殊な事情を抱えており、ヨーロッパに最後まで残る君主制国家の一つで、極めて高い自治権を有している。国際刑事警察機構の国際手配も、そこでは効力が限られていた。...

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