第299章 ワニ池のほとりでの対峙

岩美敏之。

黒崎蓮はフルネームを口にしなかったが、その数語の描写だけで、東屋の中に驚濤を巻き起こすには十分だった。

松本友美の顔から血の気が完全に引き、蒼白になった。

彼女は恐怖に後ずさりし、怨毒の視線で黒崎蓮を睨みつけた。まさか彼が、王太子の御前でこれほど露骨にすべてを暴き立てるなどとは、夢にも思わなかったのだ。

アリアの青い瞳に、初めて真の驚愕が浮かんだ。

彼女は眉をひそめる。

天宮家を襲ったあの惨劇は財界を震撼させた。彼女の耳にも入っている。

そして「岩美敏之」という名は、最近の国際ニュースで複数の凶悪事件と結びついて報じられており、記憶にないはずがなかった。

それはも...

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