第81章 今日、私の会社に来て働け

個室のドアが重々しく閉ざされた。

一条拓海はその閉ざされた扉を見つめ、次いで能面のように表情を消した天宮星羅へと視線を移した。その顔には、隠しきれない気まずさと懊悩が滲んでいる。

彼は髪をくしゃりと掻きむしり、恐る恐る口を開いた。

「星羅……気にしないでくれ」

「蓮の奴、あいつは……昔から口が悪いだけで、根は……」

「一条拓海」

天宮星羅がその言葉を遮った。

彼女は顔を上げ、黒崎蓮と幼馴染である目の前の男を見据える。その瞳は澄み渡り、それゆえに残酷なほど冷徹だった。

「よく見て」

一条拓海は言葉に詰まる。「え?」

「彼の心の天秤は、いつだって歪んでいるの」

天宮星羅は目...

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