第8章

紬ははっと顔を上げ、携帯を背中に隠した。心臓が跳ねる。

見られた?

近づいてくる気配に気づいてすぐ画面を閉じた。見られたはずがない――そう自分に言い聞かせる。

蓮は見下ろすように紬を睨み、瞳の揺れから緊張を読み取った。背に回した手。何かを隠しているのは明らかだ。

顔色がさらに暗く沈み、表情が険しさを増す。

紬は唇を噛む。血の気が引いた唇とやつれた顔が、いっそう白く見えた。

「……どうして来たの」

紬は視線を逸らし、彼の目を見られない。怖いのだ。

病気のことは知られたくない。知られれば、ここから離れられなくなるかもしれないから。

「質問しているのは俺だ。メールは何だ」

蓮の...

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