チャプター 53

ヴァイオレット視点:

シルバー・パイン・バーの入口はクリスマスのイルミネーションと、ばかみたいに大きなツリーで飾られていた。その脇には、来店客向けの景品ルーレットがきらきらと光って立っている。

「限定版の景品があるんだって」リリーがつま先で弾むように言った。

シエナは紫のドレスを整えた。「中には景品より“お楽しみ”目当ての人もいるのよ」眉をくいっと動かされて、こんな状況なのに私は口元がわずかに引きつるのを止められなかった。

用心棒は私を見るなりすぐに気づいた。「ルナ・ヴァイオレット様、ようこそ。ルーレットはお待ちですよ」

ホステスが私たちを呼び止め、景品ルーレットへ手を向ける。「レデ...

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