第23章 答えのない問い

小沢かなは顔を上げた。まるで、何を言われたのか理解できないみたいに。

「……薬って、何のこと?」

ノアは声を荒らげない。彼女を支えていた手をきちんと添え直し、同じ言葉をもう一度だけ繰り返した。自分は確信している、と。昨夜は、ただ酔っていただけじゃない。

その「醒めた部分」が、かなの胸をひやりと冷やす。

昨夜の宴で、彼女は酒がはねたのを口実に手を出した。サリーナは何も知らない。石亭には他に誰もいなかったのに、彼は今、こんなにも断言してくる。いったい、どこまで覚えているの?

そこまで考える前に、目の縁が先に熱くなった。

「……だから、私を疑うの?」

「エステル」

「サリーナがあな...

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