第24章 聞こえた

「ほら、さっさと行きなさい。授業に遅れるわよ」

寮監が小沢かなの背を押すようにして中へ促す。かなが振り返ると、ノアはまだ玄関の外に立ったまま、わずかに俯いていた。何かが腑に落ちない――そんな顔。

小さな瓢箪は、服の内側へしまってある。

きのこ型の小屋へ戻ると、寮監は「荷物は自分で取りなさい。私は外で待ってる」と言って、扉の外に残った。小沢かなは扉を押し開け――その場で足が止まる。

床一面、裂けた布と羽毛。

藤のトランクがベッド脇で傾き、母が持たせてくれた枕は腹を割かれて中身をぶちまけていた。掛け布団の角は床へ引きずり落とされ、クローゼットは扉が開きっぱなし。錠は叩き壊され、吊るして...

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