第25章 十杯の血の代償

レインが床に転がった紅い宝石を踏み抜く。ぱきり、と細かなひび割れの音が部屋に響いた。

彼の視線はまず、散らかり放題の室内をなぞり、それから小沢かなの血に濡れた手へと止まる。

「昼間でも呼ぶんだな。……ボルトさんに、思いどおりにしてもらえなかったか?」

「もう一度取引をしたいです」

小沢かなは、できるだけ声を揺らさないようにした。

「血で、もう一度取引をさせてください」

だが彼は首を横に振り、さらに距離を詰めてくる。

「今回は血はいらない」

彼女が目を上げる。

「君がほしい」

小沢かなは手の中の犬牙をぎゅっと握り締めた。

「また刺されても、平気だって言うなら」

「私が怖...

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