第26章 嘘を破る

「その部屋がいい」

小沢かなが女子寮の東側を指さした。葡萄棚のそばにある茸の家は遠く、反対側は塀を隔ててノアとニールの居室がある。

「そこは長いこと空き部屋よ」寮監は首を振る。「あなたに合うルームメイトを探してあげるわ」

「掃除なら、私ひとりでできます」

「まず授業!」

女は名簿をぱたんと閉じ、二人を追い立てた。結局、部屋の件はその場で決まらないまま。

小沢かなは歩みが遅い。ノアは腰を落として彼女を抱き上げた。かなはそのまま彼の首に腕を回し、こうして世話を焼くのは、少しは好きになったからなのかと訊く。

「好き、が何なのか分からない」

答えたあと、ノアは背後の建物を一度だけ振り...

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