第39章

光の神殿・側殿。

「ノラン様、グラントさんがお見えです。ボルトさんもご一緒に」

小沢かなを案内してきた白衣の神使が、上座へ向かって深く頭を下げた。

「ノラン様にお目にかかります」

小沢かなはスカートの裾をつまみ、淑やかに一礼する。

上座に座していたのは、黒星月のローブを纏った若い神使だった。

冷えきった面差し。鷹のように鋭い眼差し。あの目で見据えられると、皮膚の下まで覗き込まれる気がする。

光の気配とは、どうにも噛み合わない人物――。

陰が濃すぎる。無表情でいるだけで子どもを泣かせそうなのに、小沢かなは彼を知っていた。

ノラン・クレール。原作では徹頭徹尾、絶対的な悪役として...

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