第40章

「はい、ノラン様。昨日、神殿を出る前に神使の方から銀の十字架をお借りしました。お呼びになって確かめてください。名はアーヴィングです。それから、ボルトさんにもお願いして、ルベンス様から聖水を一杯いただきました」

人の信用を得るには、どんな言葉が必要か。

三割の真実に、七割の嘘。

けれどノラン・クレールのような猜疑心の塊を相手にするなら、少なくとも八分は真実でなければ通らない。

彼女はいま、嘘をひとつも口にしていない。

ただ、真実の中から都合のいい部分だけを選び、偏りを持たせて並べているだけだ。しかもニール王子とボルトを、証人として引きずり出して――。

間違っているか?

間違ってい...

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