第42章

更衣室の扉の外。

騎装に身を包んだ少年が、扉脇に静かに立っていた。

面積の大きい真紅が、彼の清らかさにほどよい熱を差し、どこか人の世の灯りをまとわせる。頭上の太陽そのものみたいに、生き生きとして――彼は空を見上げていた、ように見えた。こちらの気配に気づくと、ちらりと視線だけを寄こす。

「エステル」

「ノア、ちょっと待って」

小沢かなは更衣室へ早足で入り、騎装に着替えた。外へ出ようとした、その直前。

セシリーが、唐突に扉を押し開けて入ってくる。

「……あ、あの草の仲間たちは、あの子に一度だって情けも、いたわりもくれないんです。エステルお姉さまみたいに……草は、どうしたらいいんです...

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