第45章

セシリーは、自分の心が今にも砕け散りそうだった。

父の訃報を聞いたあの日と同じ。雪が肌を叩いても、寒さすら感じなかった。

また、ひとりぼっちだ。

たったひとり自分を大事にしてくれたレインまで、彼女のもとを去った。そう、彼は太陽みたいに眩しいエステルお姉さまに恋をしたのだ。「一目惚れだ」なんて言って——。

嫉妬なんて、してはいけない。醜い。わかっているのに、止められない。

涙が止まらない。視界が滲む。セシリーは訳もわからないまま走った。どれだけ走ったのかもわからない。足がもつれて、身体が宙に投げ出される——来るはずの痛みを、彼女は待った。

けれど。

ふわりと、温かな腕が受け止めた...

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