第55章

神を攻略する難易度はたしかに高い。けれど、彼女が本気で手を伸ばし続ければ、この分厚い壁だって遠からず崩れるかもしれない。

人を欺いている罪悪感が、たまに深夜にむくりと顔を出しても、小沢かなは無表情のまま、ぱしんと叩き落とすだけだ——

生きる。自分の登れるところまで登り切る。

もう二度と、夜更けに布団へ潜り込み、声を殺して泣きながら、運命の施しを待つだけの孤児にはならない。

「エステル、着いた」

ノアが彼女をそっと下ろした。

「じゃあ、ここで合流ね」

少女はひらりと手を振り、足を引きずりながら女子寮へ向かう。扉の前で振り返り、念を押した。

「ここで待っててよ。ちょっと荷物取って...

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