第101章 治せない

神谷承吾は、ゆっくりと深い催眠状態へ沈んでいった。

呼吸が規則正しくなり、表情からも力が抜けたのを見て、島崎悠は静かに口を開く。

「神谷社長。では今、その扉をゆっくり押し開けてください。見えるものを、そのまま教えてください」

島崎悠の声に導かれるように、神谷承吾の意識は、その扉へと触れようとした。

次の瞬間――異変が起きた。

「っ、あ……!」

さっきまでソファにもたれていた神谷承吾が、弾かれたように上体を起こす。顔色はみるみるうちに真っ青になり、額にはびっしりと冷や汗が浮かんだ。

神谷承吾は肩を激しく上下させながら、荒い息を繰り返す。額の汗は頬を伝い、ぽたりと落ちた。

島崎悠...

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