第12章 適合型

神谷彩夏は心底わけが分からないという顔をした。

「私があの子に何をしたっていうの? 叩いたのは一回だけでしょ」

「その一発のせいで、今は急性腎不全だ」神谷承吾は噛みつくように言った。「腎臓の適合が見つからなければ、あいつは透析で生きるしかない」

「頭おかしいんじゃないの」神谷彩夏は彼の手を乱暴に振りほどく。「一発ビンタしただけで腎不全? 自分で言ってて変だと思わないわけ?」

「採血して検査する」小嶋健が淡々と言った。「菅野さんは腎移植が必要になる可能性がある。今、適合するドナーを探してる」

神谷承吾の目がすっと暗くなる。

「俺だって嘘であってほしいよ。だが医者がさっき検査結果を出...

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