第25章 きれいにやれ

菅野詩音は看護師を追い払うと、瞳の奥に凶光を走らせた。

神谷彩夏――覚えてなさい。これで終わると思わないで

……

神谷グループ最上階。社長室。

扉が閉まった瞬間、外界の気配はすべて遮断された。

神谷承吾はネクタイを乱暴に引き抜き、ジャケットごとソファへ放り投げる。そのまま身体を沈めた。

窓の向こうでは、街の夜景が宝石のように煌めいている。車の流れは途切れず、灯は眩いほどだ。

けれど神谷承吾の目には、揺れて滲む光の斑点しか映らなかった。拭っても拭っても消えない霧が、視界を覆っているかのように。

忘れられない。

さっきまで床に膝をついていた神谷彩夏の姿が。

意地を張った静けさ...

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