第36章 病院を離れる

菅野美雪の顔色がさっと変わり、怒気を露わにする。

「……どういう意味? まさか、私をこの家から追い出す気? よく見なさい。ここは菅野家よ。あなた、神谷承吾の家じゃない!」

神谷承吾は淡々と返した。

「私の記憶違いでなければ、菅野さんが東南アジアで手がけているゴム事業は、ここ数年ずっと芳しくないはずです。神谷グループの支援があったから、辛うじて黒字を保てた。もし、神谷グループが手を引いたらどうなります?」

「それに——神谷グループの下流の受注がなければ、なんとか回っているだけの工場が何社か、お手元にあるでしょう。私にはあなたを直接この家から叩き出す権利はありませんが……銀行なら、できま...

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