第86章 意外

仕方なく、須藤彩夏はそのダイヤを受け取った。

デザイン画が完成していたぶん、実物への落とし込みは比較的早かった。

とはいえ、須藤彩夏は今回のコンペに並々ならぬ思いを懸けている。自分に求める水準も、当然ながら厳しい。

それでも幸い、本番までには作品を仕上げることができた。

完成品を目にした田村先生も、思わず舌を巻く。

「いいな」

田村先生は顎に手を当て、トルソーに掛けられたネックレスをじっと見つめた。

「実にいい」

「先生、本当にそれだけですか?」

須藤彩夏は苦笑まじりに田村先生を見る。

田村先生はたしなめるように須藤彩夏を睨んだ。

「何を言ってるんだ。意見があるなら、デ...

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