第89章 一線を残す

その言葉が飛び出した瞬間、場にいた全員の視線が、否応なく須藤彩夏へと吸い寄せられた。

「……あ、あなた……証拠、あるの?」菅野詩音は信じたくないとでも言うように首を振る。「須藤彩夏、私たちをハメようとしてるんじゃないの?」

「どうしたの。お姉ちゃんって呼ばないの?」須藤彩夏は嘲るように口元を歪めた。「もう演技、続かない?」

菅野詩音が眉を寄せる。

「くだらないこと言わないで! わざと脅してるんでしょ!」

「やってないなら、何を怖がるの?」

「私はやってない!」菅野詩音は胸を張った。「その証拠っていうのが、何のことかも分かんないし!」

須藤彩夏は思った。

味方にいたらただの厄介...

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