第9章 強烈な憎しみ

痛い。

神谷彩夏が意識を取り戻した瞬間、そこにあった感覚はただ一つ――痛みだけだった。

まぶたは鉛のように重い。全身を一度ローラーで轢かれたみたいで、眉を寄せ、相当な時間をかけてようやく目を開く。

滲む視界の先にあるのは、白く塗りつぶされた天井だけ。

空気の中には、吐き気を誘うような妙な臭いと、鉄っぽい血の匂いが漂っていた。

しばらくして、彩夏は気づく。

その臭いも血の匂いも――自分から発しているのだ、と。

神谷彩夏は、そっと身体を動かしてみる。

手と頭の傷は処置されている。だが、ここは病院じゃない。そこだけは確信できた。

ふらつきながら上体を起こし、周囲を見回す。

ここ...

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