第91章 ごめんなさい

その言葉を聞いた瞬間、菅野詩音の顔色がさっと変わった。

「な、何言ってるの! 私が姉ちゃんを刑務所に行かせたいわけないでしょ!」

菅野詩音は慌てて姉のほうを見た。

菅野雅子は視線を落としたまま、ほんのわずかに拳を握りしめる。

気づかないはずがなかった。

「ねえ、姉ちゃん! 何か言ってよ! あいつ、私たち姉妹を仲違いさせようとしてるの! 分かるでしょ!」

菅野詩音が前に出て、菅野雅子の肩を掴んで揺さぶろうとした――その瞬間。

雅子の隣に立っていた警官が、すっと手を差し入れて詩音を止めた。

須藤彩夏は、詩音の苛立ちと焦りを眺めながら、口元をわずかに吊り上げる。

「……何笑ってん...

ログインして続きを読む