第93章 目が見えない

神谷承吾はそんなことを考えた途端、胸の奥がきゅっと軋んだ。

自分は何かを、決定的に見誤っていたのではないか――そんな思いが、ふいに頭をもたげる。

以前の彼は、須藤彩夏の従順さが気に入らなかった。

何を言っても逆らわず、おとなしくて、平凡で、弱々しくて、自信もない。そんな彼女を、つまらないと思っていた。

なのに――。

自分を追いかけなくなった彼女は、まるで別人のように輝いていた。

華やかで、自信に満ちていて、目を奪われるほどまぶしい。

それなのに今度は、あの頃の従順な彼女が恋しくなる。

その日の試合中、神谷承吾はずっと上の空だった。

考えを整理しようとしても、胸の中は絡まった...

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