第64章 周防宴久が来た

「きゃっ!」

男は江口初姫に肩を突き飛ばされ、状況を飲み込む前に、頭から酒をぶっかけられた。

「てめぇ!」

怒鳴って指を突きつける。

「このクソアマが!」

江口初姫は眉ひとつ動かさない。相手が怯んだ一瞬を逃さず、手にしたグラスをそのまま――ごつん、と男の頭に叩きつけた。さすがに男も頭を押さえてよろけ、身を引く。

その隙に、彼女はもみくちゃの輪の間を無理やり割って抜けた。

坂東ケビンは一瞬きょとんとしたが、追うでもなく、むしろ興味深そうに口角を上げる。

逃げる江口初姫を眺めながら、他の男たちへ顎で合図した。

「何してる。追えよ。江口さんは酔ってるんだ、ちゃんと「面倒」見てやら...

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