第80章 周防宴久に嫁ぐ

白石嬢はついに、胸の内に溜めていた不満をあからさまに口にした。

下品な物言いに、周防宴久は眉間を寄せる。苛立ちが、静かに胸の底で膨らんだ。

江口初姫が説明を始めるより先に、低い声で白石嬢を制する。

「白石嬢、言葉を選べ。ここは公の場だ」

想い続けて、けれど手に入らない男が、目の前で別の女を庇う。しかも矛先は自分――白石嬢の心は、粉々になりそうだった。

みるみる目尻が赤くなり、食い下がる。

「私、間違ったこと言ってます?」

周防宴久は表情を冷やし、淡々と言い放つ。

「ここは白石嬢が主催した舞踏会だ。ほとんど全員が参加している。文句があるなら、最初から開くべきじゃなかった」

白...

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