第18章

原崎野矢視点

どこかの区間で事故があったらしい、という話が耳に入った。

最近、広瀬妃菜はやたらと会社まで俺に会いに来る。……なら、迎えに下りたほうがいいだろう。

ロビー階へ降りた瞬間、冷たい風の中で、広瀬妃菜が誰かと身を寄せて話しているのが見えた。彼女を車で送ってきたらしい男――二十歳そこそこに見える。顔立ちは整っていて、乗っている車も明らかに高級車だった。

いかにも、育ちのいい坊ちゃん。いわゆる御曹司ってやつだ。

……これが、最近広瀬妃菜が接触してる相手か?

どうりで。会社絡み以外では、私用で一度も俺を呼ばないわけだ。

ポケットに手を突っ込んだまま、胃の奥から嫉妬がどろりと湧...

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