第19章

広瀬妃菜視点

三十分後。

私は機嫌よく広瀬に戻った。

執務室では、周防治希が私の書類をまとめていた。私に気づくなり、ぱっと花が咲いたような笑みを浮かべる。

「部長、お帰りなさいませ。お部屋、きれいに片づけておきました」

「うん。助かった」

整えられたデスクに目を走らせ、私は何事もない顔で席につく。新製品発表会用の中核資料をぱらりとめくり、要点を拾う。

――やっぱり。

肝心の売りと技術コンセプトが、数カ所だけすり替えられていた。言葉は無難で薄っぺらい。もともとの刺さりが消えている。改ざんは派手じゃない。だが責任者が壇上で読み上げれば、訴求力は確実に落ちる。

胸の内で冷たく笑い...

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