第38章

広瀬有香は得意げに野崎をちらりと横目で見て、そのまま私の背後にぴたりとつき、応接室へ入ってきた。

ソファには三人が座っている。

先頭の女性は四十前後。空気を一段引き締めるような強い存在感があり、身のこなしも言葉も無駄がなさそうだった。

彼女は私たちを見るなり、まず視線を私に留め、ほんの一拍置いてから私の後ろの広瀬有香へ目を移す。わずかに眉間が寄った。

「こちらが指名したのは広瀬部長お一人のはずですが。どうしてこんなに大勢で?」

私が口を開きかけた瞬間、広瀬有香が私を押しのけるように前へ出て、待ちきれない様子で三人に手を差し出した。

「はじめまして。私も御社案件の入札に参加している...

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