第45章

原崎野矢の酸っぱい言い方を聞いて、ようやく察した。なんだか、やるせない。

「佐藤雅人は私のこと、身内みたいに思ってるだけだよ。さくらと同じ。変に考えないで」

「姉さん?」原崎野矢は鼻でふんと鳴らした。信じていないのが丸わかりだったけれど、その話題にはそれ以上食い下がってこなかった。

運転手に一流レストランの名を告げてから、私に言う。

「先に飯だ。食ったら家まで送る」

確かにお腹は空いていた。でも会社のことも気になっていて――。

「でも、父が今日の昼、会社に戻れって……」

「会社の話は明日でいい。俺がいる。何も起きない」

原崎野矢は有無を言わせず遮った。言い出したら譲らない、そ...

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