第46章

ほかの社員たちも、つられるように憤って声を荒らげた。

「向こうはわざとですよ! あっちは案件取れて、こっちは案件ゼロ。わざと嫌がらせしてるんです!」

「笑いものにしたいから、わざわざ一緒に行こうって誘ったんですよ。部長、絶対行かないでください!」

誰かが上に行けば周りも引き上げられる。逆に私が落ちれば、部下まで不利益を被る。

彼らの言葉は、ただ自分たちが悔しいからじゃない。私のためでもあった。

私は野崎の肩をぽんと叩き、卑屈にもならず、かといって威張りもせずに言う。

「案件は取れば責任も増える。必ずしもいいことばかりじゃない。物事には必ず表と裏があるんだ。見えてる部分だけで判断す...

ログインして続きを読む