第47章

原崎野矢だった。

息を殺し、彼が入ってきたその一秒で――私の全身を覆っていた棘みたいな警戒心が、ふっとほどけた。

逆光の中を歩いてくる高い背丈。近づくほどに、空気そのものが押し潰されていくような圧が増していく。

原崎野矢は淡々と会議室を見渡し、最後に大崎取締役へ視線を据えた。

その瞬間、室内がしんと静まり返った。誰もが、彼の気配に呑まれて言葉を失っている。

大崎取締役の顔に張りついていた怒りが固まり、間の抜けた表情へ変わる。

慌てて立ち上がり、へらりと笑って頭を下げた。

「原崎様……な、なぜこちらに?」

広瀬有香も一瞬だけ彼を見て、緊張で指先が袖を握り潰す。

原崎野矢は大崎...

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