第7章

原崎野矢視点

家を飛び出してからというもの、苛立ちのままハンドルを握り、街へ出た。

父が、あの役立たずの隠し子どもを何人も会社にねじ込もうとしている――そう思うだけで、アクセルをさらに踏み込んでしまう。

……くそ。どこのどいつだ、道路のど真ん中に停めやがったのは。

俺は車を降り、問題の車へ歩いていく。

近づいてみれば、運転席で青い顔をしているのは――見覚えのある男だった。

広瀬妃菜の、浮気者の婚約者じゃないか。

目を細め、俺は後部座席へ視線を移す。

そこにいた広瀬妃菜は、頬が不自然に上気し、瞳がとろんと揺れていた。まるで、熟れ切った白桃みたいに。

俺は迷わずドアを開け、妃菜...

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