第8章

広瀬妃菜視点

腰をぐいっと掴まれ、熱を持った躰へ押しつけられた。

霞む視界のまま目を開けると、男の瞳の奥で、抑えきれない感情が渦を巻いているのが見えた。

「広瀬妃菜」

原崎野矢――私の薬のせいが移ったみたいに、声まで酷く掠れている。

熱い息が耳朶を灼いた。

「田村成川……お前に触ったことはあるのか?」

その問いが落ちた瞬間、頭の中が「ぶん」と鳴った。

薬がまだ躰を焦がしている。なのに羞恥が潮みたいに一気に込み上げ、耳の先まで真っ赤になる。

……私は、何をしているのか分かっている。

今、彼の膝の上に跨っているのが私だということも。スカートが太腿の付け根まで捲れ上がっているこ...

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