第7章

結城司は何も言わなかった。

 

車は二十四時間営業のドラッグストアの前で一度止まった。

 

結城司は降りなかった。運転手に低く一言告げただけだった。運転手が戻り、白い袋を助手席に置いた。

 

車が走り出す。

 

袋が後部座席に回ってきた。凛は一瞥して、手を伸ばさなかった。

 

結城司は袋を、二人の間のシートの上に置いた。

 

「胃薬だ」

 

凛は答えなかった。

 

深夜の東京は人が減り、街灯が一つずつ後ろへ流れていく。凛は頭を窓ガラスに預け、目を閉じた。屈辱は、個室の男たちからではなかった。この白い袋から来ていた。見下ろしながら「世話をしてやる」という、その感触から。

 

「子供たちは」

 

...

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