第128章エルメス、大丈夫ですか?

  ~ヘルメス~

夜気が肌に刺さるように冷たかった。俺はバルコニーの手すりにもたれ、指のあいだに挟んだ煙草から煙を深く吸い込む。テッドにやめると約束したのはわかっている。ああ、確かに約束した。だが、これをひと吸いしなければ、頭の中でがたがたと暴れ回る混乱で、本当に頭が破裂してしまいそうだった。

「あなたは、私を手放したことをきっと後悔するわ」

ジューンの言葉が、いつまでも反響していた。執拗に、容赦なく、思考の隅をつついてくる。後悔する、だって? もうとっくに後悔している。彼女を路肩に残して去ったあの日からずっと。病院にいた頃でさえまだましだったと思えるほど、人生がこんなにも空虚になりうる...

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