第179章何を考えているの?

ジューン

ヘルメスの特別室まで歩いていくのに、一時間半もかかった。遠いからではない。ただ、扉のすぐ近くで立ち尽くしていたからだ。

眠っていてくれますように、と私は祈る。起きている彼と向き合うことを思うだけで胸が締めつけられた。きっと彼は、私にいくつもの問いを投げかけてくる。その答えを、私はまだ何ひとつ用意できていない。

彼は、あの一夜のことを覚えている。それですべてが変わってしまった。けれど……彼が愛したのは、あのときの私だったのか、それとも別の私だったのか。考えるだけで胃の奥がきりきりと痛んだ。

私はため息をつき、扉の前に立つ私を厳しい目で見つめる護衛たちをにらみつけた。

「様子を...

ログインして続きを読む