第184章彼らには銃がある

六月

レストランに着くなり、どちらかが開けるより先に私が車のドアを勢いよく開け、二人の無言の張り合いをひらりとかわした。いちばん簡単なことを「どっちがやるか」で、大の男がふわふわと譲り合っているのを見ていると、ばかばかしいのに少し可愛い。けれど私の気分は、ついさっきリュシアンから届いたメッセージのせいで、振り子みたいに揺れた。明日が最後の日。ヘルメスが私を完全に思い出してくれなければ、私が彼に会えるのも明日が最後になる。

息を吐き、手を額に当てる。賭けは大きい。そしてテッドとのこの「偽の」夕食は、いまや私の武器だ。ヘルメスにすべてを思い出してもらわなきゃ……とりわけ、彼が父親になるというこ...

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