第22章バイポーラ

六月

苛立ちにまかせて、足先が床を激しく刻む。胸の前で腕を組み、それを盾みたいに構えていた。

隣には、あの腹立たしいほど無表情な顔をしたレイラが座っている。向かいでは、ケイラがバスタオル一枚のまま気だるそうに身を投げ出し、子どもみたいに爪を噛んでいた。

相手の男がもう帰っているのだけは、せめてもの救いだ。けれど、私の怒りのほうは――ありがたいことに、まるで消えてなどいない。

「ケイ」気まずくて、何の役にも立たない沈黙がきっかり三十秒ほど続いたあと、レイラが口を開いた。「六月の部屋を使うって、ちゃんと本人に伝えてたの? その……ええと――」

「見ず知らずの男にヤられるために、って?」私...

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