第30章アディクション

~エルメス~

くそっ。

今日、あいつが来た。体調を崩しているのかと思っていた。そもそも、ここにいていいのか?

目が痛い。一晩じゅう二人の女のあいだで過ごした報いだ――ジューンを身体から追い出そうとして、ひたすら抱き続けたせいで。

身体は? 満たされている。ぶっ壊れたみたいな満足感だ。だが頭の中は? まだあいつでいっぱいだ。

あいつはまだ俺の血の中にいる。これで三度目の失敗だ。

そのくせ今は、まるで俺のほうが変人みたいな目で見てきやがる。

おまえのせいだろうが、ちくしょう。

「お、おはようございます、グランデさん」

彼女はやわらかな声でそう言う。まるで昨夜、俺があいつに言葉にで...

ログインして続きを読む