第32章招かれざる者

六月

〈サウンドトラック――モーツァルト/レクイエム「ラクリモーサ」〉

私の指先が、執務室のドアの鋼のバーに触れる。

私は立ち止まり、息を吸い込む。これからしようとしていることの重みが、胸の奥にずしりとのしかかっていた。ゆっくりと、ハンドルを押し下げる。

ドアは、かすかな引きずるような吐息を立てて開き、青白い光の筋が床を斜めに切り裂いた。

私は中へ足を踏み入れる。

まつげが一度、ゆっくりと震えて、まばたきが落ちる。それから、もう二度ほど細かくまたたいた。

室内の空気を感じる。彼女の香水、彼のコロン、そしてそれ以外の何かで、重たく満ちている。

それから、私は二人を見る。

グランデ...

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