第36章氷上の感情

ジューン

グランデ氏が、あの低くて腹立たしいほど滑らかな声で各部門長たちに話しているのを見ながら、私は彼ではなくスライドに意識を向けるよう必死で自分に言い聞かせる。

そして今になって、さっき打ち直した誤字を訂正したことを後悔していた。あのまま残して、彼を少し困らせてやればよかったのに。

けれど怒りはまだ胸の内で燃え続けていて、あの言葉が何度も何度も頭の中で繰り返される。

「それに、ああいう式典にインターンが何を着ていくっていうんだ?」

ただの気取り屋な上司だと思っていたのに、実際は、自尊心だけは人一倍で、傲慢で、救いようのない気取り屋で、自分と同じ水準にいない人間を見下す男だった。

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