第49話残酷な運命

~ヘルメス~

「さっきから静かじゃねえか。どうした、何か食らってんのか?」ジェイクが言い、追加の一杯を頼む合図をする。

俺はグラスを一息にあおる。だが喉を焼く熱さは、苛立ちをちっとも鎮めてくれない。

試着室でジューンを見た――あれが、ただの偶然であるはずがない。

さっきは、もう一度彼女に会う前に建物を出るため、シャーロットに「急ぎの社内電話が入った」だのと適当な嘘を吐いた。ジェイクを引っぱり出したのもそのためだ。本人は別に乗り気じゃなかったのに、それでも結局、俺が「二度と来ねえ」と誓ったはずのバーに流れ着いている。

どうしてこうなる? あのフロアに試着室はいくつもあった。半裸の女に鉢...

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