第76章あなたの番

六月

私は彼の問いに答えない。

視線を絡めたまま、シャワーがけたたましく音を立て、浴室に満ちるのは私たちの息づかいだけだ。彼の指が私の手首をがっちりと掴み、そのまま乱暴に下へ引き下ろす。そうして私は、彼を感じる。

唇がゆっくりと開き、胸が大きく上下する。

「ほら」掠れた声が落ちる。荒くて、ほとんど……懇願みたいで。

息が砕ける。私は小さく、どうしようもなく頷き、指先で彼の腰に巻かれたタオルの端を掴む。震える手で引くと、それはするりと落ちた。

「あっ……神様」

顎がだらりと緩む。よろめいて前へ出そうになり、身体が彼にぶつかりかける。目に入るのは彼のそれだけだからだ。朝よりも太く、重...

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