第84章禁じられた咬傷

ジューン

まるで自分の問題の元凶であるかのように、ハムとチーズのサンドイッチにかぶりつく。一口ごとに鋭く、乱暴で、顎は必要以上に働いていた。

「落ち着けよ、ジューン」トビアスが腕時計に目をやりながら、ぼそりと言う。「昼休みが終わるまで、まだたっぷり時間はある」

私は顔も上げずにうなずいた。けれど胸の奥では、苛立ちがぐつぐつと煮えている。腹を立てるな、と自分に言い聞かせる。でも、腹が立っている。あれは失礼だった。ひどく、ひどく失礼だった。それに最悪なのは、あの新しい秘書が相変わらずにこにこしていたことだ。どこかねじが何本か外れてしまったみたいな笑顔で。

トビアスは空気を和らげようとするみ...

ログインして続きを読む